源流人山猿の岩魚飼育日記

釣り用語でラン＆ガンと言う言葉があります。
ＲＵＮ＝走る、ＧＵＮ＝銃、から釣り場をどんどん走って移動し、めぼしいポイントを見つけては銃のようにルアーをキャストしていくこと。ランガンとも言います。広大なフィールドでも効率よく釣りまわることができる。という意味です。

月イチ定例支流調査は、魚を釣る事を目的とはしていません。その渓の源頭に行くのを目的にしています。だから、釣りをやる時間は僅かで、ひたすら歩く。我々はラン＆ガンにはならず、ラン＆ランなのです。（走ってはいませんが気持ちは走ってます。）



２００８年より、さのやさんと行っている信州木曽　月イチ定例支流調査（６月分）











Ｍ谷制覇は私の夢でもある。昨年もチャレンジして制覇出来ませんでした。今回で、Ｍ谷制覇を目指して５回目のチャレンジです。昨年電池切れになったＭ谷。車に着いた時には、起き上がる事が出来ませんでした。体力をつけて再チャレンジと昨年の記事に書きましたが一年たってついたのは、脂肪だけ体力に不安があります。

さのやさんは、毎週登山に行ってると言っても過言ではないくらい山を登っている鉄人。
全く運動していない私のようなメタボ親父と比べたら、まさにアスリートです。さのやさんに迷惑をかけないようにしないと、鬼軍曹にシバカレマス
だから、この一年、駅では階段を会社のビルでは、エレベーターをなるべく使わないように体力作りはしてきました。すべてはこの日の為に・・・。
















５時３０分。車止めを出発。今日は長い一日になる。暗くなるまでにはここに帰ってきたいと思います。林道を進む分には体力的に楽です。
林道の終点からは、いよいよ入渓。ここからは、沢を登っていきます。しかし、沢歩きは体力を使います。石は固いから膝にくるし、岩をよじ登らなければいけません。
Ｓ鬼軍曹は「沢をいけ！沢に道がある。」
と言いますが、原生林の方が足元が柔らかく歩き易いので体力温存のために原生林の中をいきます











しかし、どんどん川から離れて行きます。これは失策
鬼軍曹の言う通り、道は沢にありました。

















どんどん登ります。ヨダレポイントもスルーします。こんな所から竿を出していたら、Ｍ谷制覇は出来ません。
歩く、歩く。
















どんどん登ります。
歩いて歩いて時間は１０時になりました。ここから釣り始めます。

天気晴れ水温８度。

タックル

竿　遊々水　硬調５４０　道糸　１号通し　　針　いわな９号　　重りなし　　餌　いくら

今回も餌代をケチリました。前回の釣りで残ったイクラで挑みます。仕掛けを作っていると、シャクトリ虫がいました。三平作戦をやってみるか。

虫かごを持ってくるやすえ空将が今回もいないので、すぐに針に付け流してみます。
すると当たり！














見事な木曽ヤマト岩魚。２６センチ。
良型サイズです。三平作戦が成功しました。
綺麗な木曽ヤマト岩魚に見とれてしまいます。















ここは、楽園か？と思うもその後はサッパリ。
さのやさんのルアーにも反応なし
ここは魚が薄いです。
月イチ定例支流調査は、遡行スピードが命です。淵に餌を流すのは原則１回です。














１１時３０分ぐらいになりました。腹が減ったので飯にします。サワメシです。前記事に書きましたが、さのやさんが調理したジビエ丼を食べました。
うまし！

ご飯を食べたら、出発です。
ほとんど反応は無かったですが、私が餌を流した淵でさのやさんが岩魚を釣りました。そこは餌を流したのですが










(さのやさんが釣った木曽ヤマト岩魚)





ナイスサイズのヤマト岩魚。綺麗な木曽ヤマト岩魚です。体高もあり見とれてしまいます。
長野県レットデータブックで準絶滅危惧種に指定されているヤマト岩魚。昔なら信州木曽に何処にでも生息していたのです。

撤退は２時。
暗くなるまでには林道に戻りたいです。残された時間が少なくなってきました。














遡行スピードをさらに上げていきます。しかし、走る魚もいない。私の餌にも当たりはない。さのやさんのルアーにも反応がない。
よってここには魚はいない。

と言う事で、竿が邪魔なので竿を置いて登ります。身軽になり登りに登ります。
歩く、歩く。







（ここではまだ山桜が咲いてます）




どんどん急流になってきました。まもなく撤退の２時です。帰る事も考えると体力的にも限界です。歩いても歩いてもゴールは見えず。きりがないからそろそろ撤退かな？と思い、体力にも不安があったので｢キリがないので彼処まで行って撤退にしますか？｣とＳ鬼軍曹に恐る恐る聞いてみると｢そうですね｣とあっさりＯＫ。











ということでゴールはあそこです。しかし、そのあそこまでいくと、先の方に白いのが見えます。
雪渓だ。

あそこまで行くしかない！













登っていくと・・・行く手を阻む雪渓。これ以上は進めない。
時間はちょうど２時。

遂に遂に・・・












制覇！！



５回目のチャレンジでやっと目標達成です長年の夢が叶いました。さのやさんとガッチリ握手。
雪渓からは、生まれたばかりの水が沢に流れ出していました。









ひんやりした天然クーラーがちょー気持ちいい。もっとゆっくりしたかったのですが、時間がないので撤退。登って来た沢を川通しで戻ります。
行きは、テンション高いですが帰りは目的がただ帰るだけなので辛いです。長い長い道のりにうんざりです。
私は自衛隊員ではありませんが元気バッチリ２と長野県製薬（王滝村）の回し者ではありませんがスタミナン７とダブルで疲労回復です。




















さのやさんは登山で鍛えてますが、私はメタボ親父。これは罰ゲームでしかないです。電池切れにならないように常にアミノ酸を補充しました。脂肪は、たんぱく質がないと燃焼しないようなので、たんぱく質もとります。歩いて歩いて歩いて・・・。なんでこんな奥まできてしまったのかこの時は後悔します。一歩一歩進まないとうちに帰れません。歩くしかない。最後は暗くなることを想定してヘッデンを装着。

午後６時３０分。無事に車に到着です。
最後は、さのやさんからもらったスポーツようかんが効いたようで電池切れになりませんでした。

ほとんど釣りをやらず歩いて終わった一日。釣果は初めに私が、最後にさのやさんが締めました。釣った魚は１匹ずつでした。
さのやさんお疲れ様でした。釣果は貧果でしたが、長年の夢が叶い大満足でした。源流バ〇との付き合いも大変ですね（笑）














月イチ定例支流調査は、魚を釣ることを目的としていません。この先がどうなっているのか？そこを自分の目でみたい。ただそれだけ。移動途中に尺岩魚が見えてもスルーしなければ目的は達成できません。
しかし、目的を達成した時の達成感はハンパないです。次なる目標は、あそこの右。
次回も歩いて歩いて、あそこの右制覇を狙います。私達のスタイル、ラン&ランで。